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12月号 「インフルエンザについて」

 12月になり、冬の訪れとともにインフルエンザの流行の話を聞くようになりました。インフルエンザに気をつけましょう。【予防】先ずは予防が大切です。人ごみを避けることと外出から帰宅後の「うがい」「手洗い」に加えて充分な睡眠時間が基本で、次に予防注射です。予防注射によりインフルエンザに罹りにくくなり、罹っても症状が軽くなります。中年より若い方は四週間間隔での二回の予防注射をお奨めします。
【治療】インフルエンザの症状の特徴は、突然の38℃以上の発熱と鼻水、咽喉の痛み、全身の関節痛・筋肉痛、頭痛などです。鼻や咽喉の奥に綿棒を突っ込んで行う迅速検査は、インフルエンザの診断の決定に役立っています。特効薬とされているタミフル・リレンザは発症して48時間以内に服用を始めないと効果がありませんので、早めに治療を受けてください。基本は安静と水分補給ですが、葛根湯・麻黄湯などの漢方薬も早めに服用すればかなり有効な模様です。それから、高熱が出ているからと言ってむやみに解熱剤を使用するとかえって治癒を遅らせますので、使い過ぎないようにしてください。

右京医師会 岩田 弘滋

11月号 「高齢者の転倒転落予防」

 高齢期に至り、心身に障害を持つようになっても、尊厳に満ちた人生を歩み続けたいということは誰もが希望することです。しかしそれを達成することは、至難の業であります。
転倒や転落をはじめとする高齢期の外傷、骨折は、人間の精神の自立を損ない、また身体の自立をも損なうのであります。
最後の時まで、可能な限りその人らしい人生を全うするためには、自由に移動出来る、他人に頼らず行きたいところへ自由に行ける能力も、人間の生活の質を高く維持するための基本のひとつであります。
そのためには足腰が丈夫でなければなりません。日頃の生活の中で、少しの距離もタクシーに乗ったり、一駅でも優待券でバスに乗ったりしておりますと、足腰の筋力の衰えに繋がるのであります。高齢者の転倒転落事故で、下肢や腕などの骨折は日常の住み慣れた家庭の中で一番多く発生しておりますことからも、毎日の生活のチョットした弾みで生ずるのであります。
座敷の中の電気製品のコードが畳の上を走っていたり、床の上に敷かれた絨毯やすべり易い廊下など、日頃は余り問題なく出来ている動作でも、突然の電話や来客、宅急便のベルに慌てて座敷を走って、コードに足を引っ掛けたり、絨毯の端で躓いたり、廊下で滑ったり、又階段から転げ落ちるようなことはよくあることです。高齢で、骨粗鬆症や筋力低下などがありますと、転倒や転落事故で下肢の骨折を生じ、自由に移動出来る能力を失い、自立した生活が出来なくなりますので、日頃から可能な限り歩くことに心がけて、足腰を鍛えておくことが転倒・転落の予防になります。

右京医師会 小松 建次

10月号 「口腔アレルギーと花粉症」

 口腔アレルギーとは、食物を食べた時に急に口の中がかゆくなったり、ピリピリしたり、はれたりまたきつい人は、下痢や腹痛などの腹部症状、皮膚の蕁麻疹、喘息症状がでたりする即時型の食物アレルギーです。この背景には果物・野菜・穀物の花粉抗原と食物抗原との間で共通する交差反応が考えられます。つまり口腔アレルギーはいろいろな花粉症に合併することがあるということです。
イネ科の花粉症の人ではトマト、メロン、スイカ、オレンジなどを食べたときに、ヨモギ・ブタクサ花粉症(秋の時期の花粉)の人ではメロン、リンゴ、セロリを食べたときにアレルギー症状がでることがあります。またメロン、スイカ、キューイなどはいろいろな花粉症の人でよく口腔アレルギーの原因となるので注意が必要です。

右京医師会 斉藤憲治

9月号 「心の健康のために」

 読みごたえのある本が充実している分野だ。最近目にした本の中からいくつかを紹介したい。ぜひ書店で買うなり、図書館で借りるなりして読んでいただきたい。

1.『求めない』 加島祥造著 小学館 2007年7月刊 1300円
俳句ほどの短い詩から少し長い詩まで、集められた詩集である。すぐに読める。一文をここに引用する。
求めない-
すると
いまじゅうぶんに持っていると気づく

2.『行動が人生を動かす』デヴィッド・レイノルズ著 朱鷲書房 2004年12月刊 1800円
森田正馬の内観法を伝えるものである。「内観は相手の立場に立った見方を育てます」とされる。 その結果、無数の「おかげ」で人生が成り立っていることを知るようになると。
過去を悔い、将来を憂えて過ごす代わりに、建設的な生き方をすすめている。

3.『ひとは「感情」から老化する』 和田秀樹著 祥伝社新書 2006年11月刊 740円
落ち込んだときに対処法が書かれている。「得意なことや簡単にできる作業をする」のがいいそうだ。

右京医師会 田中 啓一

8月号 「ペットボトル症候群ってどんな病気?」」

 真夏に汗をかくと大量の水分を飲みます。その時に、スポーツドリンクばかりを1日に2~3Lも飲むと、スポーツドリンク中の糖分が大量に体内に入り、血液中の糖分(血糖値)が急上昇します。普段はまったく異常のない人が、血糖値の急上昇により大量の尿が出て脱水状態になり、のどが渇き、さらにスポーツドリンクを飲み続けると血糖値が異常に高くなり昏睡状態になる事があります。このような病気をペットボトル症候群と呼んでいます。特に10代から30代の人で肥満があり糖尿病の血縁者がいる人や糖尿病予備群の人がなりやすいようです。治療が遅れると生命の危険を伴う事もあります。
夏場の水分補給には糖分を含んだ清涼飲料水だけでなく、水やお茶なども混ぜて、糖分の摂りすぎに注意してください。

右京医師会 山田 惠三

7月号 「水虫=白癬?」

 夏が近づいて参りますと、毎年「水虫だと思ってこの薬を塗ったら、余計に悪くなってしまった…」と来院される方が増えてきます。
「どんな薬を塗りましたか?」と尋ねますと、100%といって良いほど抗真菌薬(いわゆる水虫薬)を出されます。
水虫とは一体何か?と考えた場合に、“夏になると足に出てくるグジュグジュして痒いもの”の総称であると思われます。しかしそこには必ずしも白癬菌(いわゆる水虫菌)がいるとは限りません。真菌類ではない細菌の感染症であるかもしれませんし、湿疹が出ているのかもしれません。顕微鏡で確認をしてから正しい薬を使って、早く対処された方がずっと良く治ると思います。

右京医師会 米林 功ニ

6月号 「骨の健康について」

 人間は自分の健康を心配する時は、兎角心臓や肺や胃など内臓器や頭の脳神経について考えがちですが、日頃健康な時は気に留めない骨というものも、大切な臓器であります。体重を支え、体の骨格をつくり、筋肉とともにいろいろ運動が出来るのであります。
この骨の量が減り、折れやすくなって痛みなどの症状が出るのが骨粗鬆症というものです。正常な骨の中は多くの細かい柱が粱のような網の目の構造を作って骨が出来ていますが、この柱が細くなって、途中で切れて支える力が弱くなった状態が骨粗鬆症の骨の中身です。
この骨量の低下を予防するには、適度な運動、骨を作るカルシュウム摂取を乳製品などから、またビタミンDを白身魚から摂取したり太陽光に当たって皮膚から作られるビタミンDを充分吸収して、骨粗鬆症を予防しましょう。

右京医師会 小松 建次

5月号 「市民検診を受けましょう」

 右京医師会では今年も5月15日から9月28日までの間、右京の各学区を巡回して市民検診を行っています。医師による問診、身長・体重測定、胸部X線検査、心電図検査、血液検査、尿検査を行います。市民の皆様の健康管理のお役に立てればと考えております。
対象は京都市に在住する40歳以上の方ですが、原則として会社勤めの本人は除きます。また、65歳以上の方を対象に生活機能評価も実施させて頂きます。
料金は500円ですが、無料扱いの場合も老人の方をはじめとして各種あります。
市民検診は京都市の事業を京都府医師会を通じて右京医師会が保健所、保健協議会と協力して行っています。
お問い合わせは右京医師会(tel.075-872-9850) まで

右京医師会 岩田 弘滋

4月号 「亜鉛欠乏性の味覚障害について」

 先月(風味障害)に続き味覚のお話です。味覚障害の最も多い原因とされているのは、亜鉛欠乏によるものとされています。食事性の亜鉛欠乏は不規則な食事習慣や偏食が問題となります。薬剤性の味覚障害は、特定の薬剤が血液中の亜鉛と結合してしまうため体の中の亜鉛が少なくなるためです。口腔疾患では、唾液の量が減ることが原因となります。
風邪の後の味覚障害は嗅覚障害といっしょにおこるので強く感じます。風邪で亜鉛の消費量が増えることが考えられます。
味を感じる受容器である味雷には亜鉛が豊富に含まれています。味雷の細胞は常に新しく生まれ変わりますが、このために亜鉛が使われるのです。したがって亜鉛の量が減ればこの生まれ変わりが遅くなり正常に働きません。これが味覚低下につながると考えられています。
最後に亜鉛を特にたくさん含む食品を挙げておきます。
牡蠣(カキ)・いわし・豚レバー・牛肉(肩ロース)・ゴマ・抹茶・アーモンド・カシューナッツ・ココア(ピュアーココア)などです。

右京医師会 斉藤 憲治

3月号 「風味障害について」

 味覚と嗅覚の両方がそろって感じる感覚を「風味」といいます。この風味障害がおこるのは嗅覚が低下したときに起こることが多いのです。この風味障害は、インフルエンザや感冒の後に起こることがあります。
カゼの後で「なんとなく味が変」、「最近、食事がまずい」、「味がしない」などという症状です。
カゼはウイルスによって起こりますが、そのウイルスが味覚の細胞だけでなく嗅覚の細胞にも障害を与えることが味覚を低下させる原因となります。
自然に治ることが多いのですが、長期になると難治例も出てきます。1、2週間たっても臭いや味が戻らないときは耳鼻咽喉科医を中心とした専門医にみてもらうのが良いでしょう。自分では気づかないのに副鼻腔炎(鼻の蓄膿)があって、鼻の中にポリープができていたりすることもあるのです。

右京医師会 斉藤 憲治

2月号 「廃用症候群と寝たきり高齢者について」

 廃用症候群とは、長期に渡る(6ヶ月以上)臥床による心身の活動性の低下(心身の不活発)によって生ずる合併症であり、その症状として筋肉の萎縮、手足の関節の拘縮、骨の萎縮などの局所の症状や、全身症状として起立性低血圧、心臓機能の低下など、また精神症状として意欲の低下、感情鈍麻、知的低下などがあります。
これは脳卒中による片麻痺などの原因疾患に伴う障害や、老化現象による臓器機能の衰退とは異なり、安静、身体の不使用、不活動による二次的障害であります。寝たきり高齢者とは、廃用症候群の最終的な姿ともいえます。
その対策としては高齢者個々の最良の機能状態を維持することのためにはリハビリ医療を行うのが最良の方法であります。しかし廃用症候群の予防や改善には個々の症状のリハビリのみでは不十分で、例えば膝関節の拘縮に対して他動的な関節可動域訓練を毎日1時間実施しても、訓練時間以外の23時間を臥床していては、拘縮を改善することは難しいのであります。つまり、1日を座位ですごす時間を多くし、車椅子や、トイレへの移乗などで立位の機会をつくり、可能であれば安全の確保された環境で、歩行練習も必要であります。
このように、残存する生活能力を十分に活用することが、不使用、不活発による身体機能の低下を予防し、改善することにつながるのであります。在宅療養中の高齢の方々は訪問リハビリを活用して、寝たきりにならないよう気をつけましょう。

右京医師会 小松 建次

1月号 「感染性胃腸炎が流行しています!」

 新聞、テレビの報道で既にご存知の方もおられると思います。京都市が実施している感染症発生動向調査で、今後さらなる増加が予想されています。昨年10月以降の社会福祉施設等においてノロウイルスが原因と疑われる集団発生件数も例年に比べ大幅に増加しています。乳幼児のウイルス性腸炎で、冬季に時々流行るロタウイルスやアデノウイルス等が知られていますが、これらはここ数年流行の兆しは認められていません。

ノロウイルスについて
ノロウイルスは食品(特にかきなど二枚貝)を介して感染することが多く、また、このウイルスを持った人がトイレ後、手をよく洗わず調理すると食品にウイルスが付着し汚染された食品となり、感染源となります。その他、ごく微量のウイルスでも感染しますので人から人や、人からその辺の触ったものへ移り、そこからまた人へ感染することもあります。飛沫感染といって、吐物が乾燥するとウイルスが空気中に浮遊し、それに感染することもあります。

感染予防
魚介類の十分な加熱処理を行うこと。調理する人は、調理前に手洗い、うがいを必ず行うこと。調理器具の洗浄することでウイルスを付着させたままにしないことなどです。 

発症は?
季節に関係せず通年性に発症しますが、かきを食べる機会の多い11月~3月にやはり集中します。感染して2日前後で、はきけ、嘔吐、腹痛、下痢、発熱等の症状が見られ、たいてい数日のうちにおさまりますが、なかには重症化することもありますので早めに医療機関受診をお勧めします。

右京医師会 中川 千明