ホーム >  今月の健康アドバイス 2019年

1月号 なおせる脳卒中の後遺症

 

 いま脳卒中は日本人の死因の4位となっており、多くは命にかかわる病気ではなくなってきました。しかし、脳卒中にかかった方の数は年々増え続け、300万人を超えると推計されています。その代表的な後遺症が痙縮(けいしゅく)とよばれるマヒ状態で、大半の方は左右どちらか半身の手足がこわばる・固まるなどの症状で手が使えなくなってしまったり(廃用肢)、足先がとがってしまって、歩きにくい・膝がかたくなり歩けないなどの症状があります。街でよく見かけるのは片方の肘がまがって、膝がまがりにくくゆっくりとしか歩けない方で、この前も当院の近くの横断歩道で見かけました。

 

 脳卒中は予防が第一です。最近注目されているのが不整脈で一過性の心房細動という不整脈がみつかりにくく、また脳卒中の原因となっていることが多いことが分かってきました。 第2に脳卒中の症状かな、つまり突然に力がぬける、しびれる、モノが見にくくなるなどがあればすぐに救急車を呼んででも、救急受診することです。その後、約6か月にわたり回復期リハビリテーションをうけます。その後は維持期とよばれ、遺された機能を使うことになるのですが、実際には悪化してしまいます。このようなわけで、最初に述べたような方がたくさんいらっしゃるわけです。

 

 近年、このような脳卒中になってから何年もたつ方でも、そのマヒ(痙縮)を治療できる方法が開発されました。ボツリヌス毒素製剤をかたまった筋肉に注射した直後からリハビリをすると、動かなかった手や足が動くようになるのです。まったく手が固まった方でも、パンをもって食事ができるようになった例もあります。

 

 自分のことが自分でできるようになると患者さん自身が明るくなってきます。介護の必要も減ります。当院では、この脳卒中痙縮治療を2週間の入院で行っており、ご利用いただければ幸いです。担当は私で火曜日が初診の日になっております。

 

一般社団法人右京医師会 梶 龍兒

今月の健康アドバイス バックナンバー