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11月号 糖尿病について

 

 ここ最近、テレビや雑誌などで、「医療に関する情報を目にしない日はない」といっても過言ではないと思いますが、如何でしょうか?
 最新機器を使用した先進医療、アイチエイジング、介護問題など話題がつきません。今回は、もうすでに皆さんもご存知な病気とは思いますが、『糖尿病』をテーマにお話ししたいと思います。
 国際糖尿病連合(IDF)の発表によると、世界の糖尿病人口は爆発的に増加しており、2017年の段階で、有病者数は4億2500万人以上と推計されており、今後も増加が予想されています。また、日本に目を向けると、厚生労働省から発表された平成28年国民健康・栄養調査では「糖尿病が強く疑われる者」は約1000万人と推計され、日本は世界でも有数の糖尿病大国であり、どなたにとっても他人事ではないかもしれません。糖尿病は、1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病と、大きくは3つに分類されます。1型糖尿病は自己免疫機序により、体内からのインスリン分泌が枯渇することにより発症し、インスリン注射による治療が不可欠です。2型糖尿病は全体の約95%を占め、遺伝因子や環境因子を背景に、肥満や加齢に伴って発症します。妊娠糖尿病は、あまり馴染みがないかもしれませんが、妊娠時に初めて発症する糖尿病です。このタイプは、多くの場合、出産とともに一旦改善しますが、妊娠中にしっかり治療をしないと、胎児の臓器や成長に悪影響を及ぼすと考えられています。また一旦改善した人も、のちに2型糖尿病を発症するケースが多いと言われており、産後も定期的な検査が必要です。
 これら糖尿病は、“合併症の病気”と言われており、早期に診断し、しっかり正しい治療を行わなと様々な身体的問題が出現します。かすみ目や見えにくさといった目の合併症、手足のしびれや立ち眩み、こむら返りといった神経合併症、透析に至ることもある腎臓の合併症、心筋梗塞や脳梗塞といった血管の病気、免疫力低下による肺炎や腎盂腎炎などの感染症、爪白癬などの皮膚の病気、さらには癌や認知症の発症にも糖尿病が関連していると言われています。糖尿病の初期は、症状がほとんどなく、一般的な採血検査では発見できない事もあります。職場健診や市民健診をしっかり受け、異常が指摘された場合は放置せず、必ずかかりつけ医に相談してください。11月14日はインスリンの発見日にちなみ『世界糖尿病デー』に制定されており、各地でイルミネーションやイベントが行われます。
 この機会に糖尿病の方も、そうでない方も、もう一度自分の体のことを見つめ直してみては如何ですか?

 

一般社団法人右京医師会 池田 文彦

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