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10月号 風邪に抗生物質は効く?

 

 猛暑の夏も去り爽やかな秋になり体調も良くなる季節です。でもあと2か月もすれば嫌な風邪が流行する寒い冬となります。急な発熱やのどの痛み、咳は早く治したいですね。最近はネットで自己診断もでき、「こんな症状ならこの抗生物質が効きますよ。」などと書いてありませんか。「病院に行くのも忙しくて時間がないなー」「あ!そういえば○○先生から以前風邪のときもらっていた抗生物質があったから1錠だけ飲んでおこう。」
 ちょっと待ってください。こんなふうに対応しているあなた、将来「耐性菌」にやられるかもしれませんよ。耐性菌とは肺炎などの特効薬である抗生物質が効かない菌のことです。もともと風邪のほとんどはウイルスが原因で抗生物質は効きません。そのウイルス感染に抗生物質を乱用したりすると手ごわい耐性菌が出てきます。また、最近腸内細菌の重要性もいろいろなところで聞かれると思いますが、抗生物質は腸の善玉菌も殺してしまいます。
 抗生物質の歴史は細菌との「いたちごっこ」の戦いです。新しい薬が開発されるとそれに効かない菌が必ず出てきます。実は最近新しい抗生物質は開発されていないのが現状で、このままではいずれ耐性菌で亡くなる方の数が癌で亡くなる方の数を上回るとの予想もあります。
 現在日本も含めて世界的に政府が主導して耐性菌対策として抗生物質の使用量を減らす計画が進んでします。抗生物質はあなたを感染症から救ってくれる大切な薬です。医師の指導のもとに適切に服用するように心がけて下さい。

 

一般社団法人右京医師会 竹迫 俊行

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