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5月号 「京都府の長寿の秘訣と伝統食を活かした‘腸活’」
京都府は全国的に平均寿命が高く、その背景には食文化の影響が大きいと考えられます。
特に、京野菜や漬物を活用した腸活は、健康維持に役立つ要素の一つです。
・腸活とは?
腸活とは、腸内環境を整えることで健康を促進する生活習慣のことです。腸には100兆個もの腸内細菌が存在し、これらは善玉菌・悪玉菌・日和見菌に分類されます。
腸活のポイントは、善玉菌を増やし、腸内フローラ(腸内細菌のバランス)を良好に保つことです。これにより、消化吸収の促進、免疫力向上、肌トラブルの改善、メンタルの安定など、全身の健康につながります。
・京都の伝統野菜と腸活の関係
京野菜は、食物繊維や抗酸化物質を豊富に含み、腸内環境を整えるのに適しています。
例えば、九条ねぎには抗菌作用があり、腸内の悪玉菌の増殖を抑える働きがあります。聖護院かぶや賀茂なすには水溶性食物繊維が多く含まれ、腸内の老廃物をスムーズに排出し、便秘の予防にも役立ちます。
・京都のお漬物と発酵食品の力
京都の伝統的なお漬物(すぐき漬け、千枚漬け、柴漬けなど)には、乳酸菌が豊富に含まれています。特に、すぐき漬けに含まれるラブレ菌は、腸まで生きて届く強い乳酸菌として注目されており、腸内フローラを整え、免疫力向上や便秘解消に貢献します。発酵食品である味噌や納豆、ぬか漬けと組み合わせることで、より効果的に腸内環境を改善できます。
・京都の生活習慣と健康長寿
京都の伝統的な食文化は、健康長寿を支える重要な要素の一つです。
腸活を意識し、京野菜や発酵食品を積極的に摂ることで、腸内環境を整え、健康維持につなげましょう。
適度な運動とストレス管理も取り入れながら、京都の知恵を活かしたライフスタイルを実践することが、健康長寿への鍵となるでしょう。
一般社団法人右京医師会 金澤 一典