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6月号 熱中症! 糖尿病! 劇症1型糖尿病!

 

 急に熱くなった日、最高気温の高い日、湿度の高い日、これから多くなりますが、熱中症には十分注意が必要です。
 のどが渇く、たくさん飲む、尿の量が多い、疲れやすい、こむら返りが多い等、熱中症の症状でもあるようなそんな中に、糖尿病が隠れているかもしれません。糖尿病は、少々血糖値が高い程度では自覚症状がないことも多く、上記のような症状が出たときは糖尿病の状態が悪い、ということも多いです。
 糖尿病はそもそも血糖値が高い(血液中の糖分が高い)という病態で、高血糖が続くと血管等のダメージが大きくなり、それに伴う合併症が生じ、その合併症がなかなか厄介なため、血糖値のコントロールが必要になる、病気です。3大合併症は、神経症・目の網膜症・腎症(「し・め・じ」と覚えましょう)で、しびれ、痛み、網膜症による失明、腎症による人工透析などを呈します。3大合併症以外にも、狭心症・心筋梗塞といった心臓の病気、脳出血や脳梗塞といった脳の病気、足の血管がつまるなどの末梢動脈の病気、も多くなります。
 糖尿病にも種類があり、大きくわけて、1型、2型、妊娠糖尿病、その他、に分けられますが、一般的に大人がなる糖尿病は2型です。肥満等により血糖値を下げるホルモンであるインスリンが、体の中でうまく作用しなくなったり、インスリン分泌が低下したりして血糖が上がる病態です。それに対し1型は膵臓から分泌されるべきインスリンそのものが産生されない病態です。この1型糖尿病の中で注意すべき糖尿病として、劇症1型糖尿病という病気があります。短期間に糖尿病を発症し適切な治療を開始しないと死に至ることもある危険な病気です。基本的にのどが渇く・たくさん飲むなどの高血糖に伴う症状はあまりなく、急に意識がおかしくなって病院を受診するといったこともあります。インスリンが分泌されていないため体内の糖分が使われず脂肪を利用するため、ケトン体という物質が産生され、結果、血液が酸性となり昏睡状態になる、危険な病態です。一般的な1型糖尿病が若い時に発症するのに対しこの劇症型は、平均して男性43歳、女性35歳に発症すること、男女比は1対1で日本を含め東南アジアに多いといったデータがあります。典型的な糖尿病の症状が少なくいきなり昏睡になることもあり、気を付けるべき糖尿病です。
 熱中症と思われる中にも、糖尿病が隠れているかもしれず、いつもと違う、何かおかしい、といったことがあれば医療機関を受診するように、お願いいたします。

 

一般社団法人右京医師会 寺村 和久

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