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3月号 「スマホ斜視とその予防について」

 


スマホ斜視とは、スマートフォンの長時間使用によって引き起こされる目の異常な位置や動きのことです。具体的には、一方の目が内側にずれてしまう現象で、特に若年層に増加しています。これは、スマホ画面を見るために目を寄せる動作を長時間続けることで起こります。

 

予防法ですが、
1.まずは視線を休ませる
20-20-20ルールを守りましょう。20分ごとに20秒間、20フィート(約6メートル)先を見るようにします。これにより目の筋肉がリラックスし、斜視のリスクを減らすことができます。
2. 適切な姿勢
スマホを持ち上げて目線の高さに合わせることで、首や目の負担を軽減します。常に下を向いて見る習慣は避けましょう。
3. 定期的な眼科検診
もし視力に変化を感じたら、早めに眼科を受診することが大切です。早期発見で予防や治療が可能です。

 

次にスマホとの付き合い方です。
1.時間管理
スマホを使用する時間を制限し、他の趣味や活動に時間を割くようにしましょう。特に夜間はスマホの使用を控え、質の良い睡眠を得ることが重要です。
2.アプリの活用
スマホ使用時間を管理するアプリを使って、自分自身の使用時間を把握し、適度に休憩を取るようにしましょう。 スマホは便利なツールですが、適切な使い方を心がけることで健康を守ることができます。

 

最後にスマホ斜視の治療法です。
スマホ斜視の治療は、症状の程度や個々の状態によって異なりますが、一般的には以下の方法が用いられます
1. 視力トレーニング
眼科での視能訓練:斜視を矯正するための眼筋トレーニングや、両眼視機能を改善するための特殊な眼鏡やプリズムレンズを使用することがあります。
2. 眼鏡やコンタクトレンズ
視力矯正だけでなく、斜視を軽減するための特殊なレンズが処方されることがあります。これにより、目の負担を軽減し、自然な眼位に戻す手助けをします。
3. 手術
重度の斜視や他の方法で改善が見られない場合、手術が必要になることがあります。手術では、眼筋の位置や長さを調整して両眼の調和を回復します。手術は一般的に安全ですが、リスクや回復期間について事前に眼科医と話し合うことが重要です。
4. 生活習慣の改善
デジタルデバイスの使用時間を減らす:治療の一環として、スマホやパソコンなどの使用時間を厳格に管理し、目の休息を確保します。
環境の調整:明るさや画面の位置を適切に調整することも大切です。
5.定期的なフォローアップ
治療が進むにつれて、定期的な眼科検診が必須です。改善状況を監視し、必要に応じて治療計画を調整します。
6.注意点
自己診断や自己治療は避け、必ず専門の眼科医に相談することが重要です。視力や眼の健康は一度失うと取り戻すのが難しいため、早期の専門的な介入が推奨されます。


 


一般社団法人右京医師会 今村 貞洋

 

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