ホーム今月の健康アドバイス  >  バックナンバー 2025年

 

2025年度2024年度2023年度

2022年度2021年度2020年度2019年度2018年度2017年度2016年度

2015年度2014年度2013年度2012年度2011年度2010年度2009年度

2月号 「めまいの原因について」

 


 私たちの体は耳、目、筋肉からの情報が脳に送られて統合されています。そして、脳で統合された情報が体の筋肉に伝わることにより、体のバランスが保たれています。
バランスをとる機能に障害が生じるとめまいが起こります。目の前の景色あるいは自分自身がグルグル回る様に感じたり、フワフワあるいはフーっとなると表現されます。この感覚を一般にめまいとよばれ吐き気を伴うこともしばしばあります。原因は大きく分けて

 

① 小脳や脳幹の障害によるもの
② 耳の前庭、半規管と呼ばれる部位に障害が生じた内耳性
③ 内科、循環器科領域及びその他のめまい

 

①の中枢性の場合は目を開けていても体がひどくよろけたり呂律のまわりにくさ、手足の麻痺などの他の神経症状を伴う事があります。
②の代表がメニエール病で耳鳴り、耳閉塞感、聴力低下を伴う回転性めまいを繰り返すものです。めまい=メニエール病とも考えられがちですが、めまい症のうちでメニエール病と診断される頻度はそう多いものではありません。他には良性発作性頭位眩暈(りょうせいほっさせいずいめまい)、前庭神経炎、外リンパ瘻(ろう)などがあります。
③の代表が起立性低血圧、高血圧、不整脈による立ちくらみなどの症状によるめまいです。また頸椎の病気や不安、ストレスにより起こることもあります。また急激な乱視、近視の進行が原因になることもあります。

めまいの原因を突き止めるには症状により内科(神経内科、脳神経外科、循環器内科)、耳鼻咽喉科、眼科の診断が必要になることがあります。

 


一般社団法人右京医師会 進藤 昌彦

1月号 「C型肝炎はむかしの病気?」

 


肝臓は沈黙の臓器と言われています。病気があっても自覚症状がありません。かつて昭和から平成にかけて、多くのC型肝炎の患者さんがおられました。多くは若いころに受けた輸血や予防注射が原因でした。気がつかないうちに肝硬変や肝臓癌になり、多くの方が命を落とされました。当初インターフェロンという注射薬が使われましたが、効果が十分ではなく、副作用も大変なものでした。 しかし、2014年に大きな転機がありました。注射ではなく、飲み薬で治療できるようになりました。
しかも、副作用もなく、数か月の治療で、ほぼ全員が完全になおります。効果は絶大であり、今やC型肝炎の患者さんを外来で見かけることはほとんどなくなりました。
ただし、最初に述べたように肝臓は沈黙の臓器です。C型肝炎をもっていても、自分ではわかりません。日本には、まだ何十万人も未治療の患者さんがいると言われています。もし、今まで一度も検査を受けたことがなければ、ぜひ検査を受けてもらいたいと思います。たとえ感染していても、今は簡単になおります。放置すると大変です。ぜひ検査を受けるようにお勧めします。

 


一般社団法人右京医師会 鍋島 紀滋