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12月号 「笑って元気に!」
笑うだけで脳は勝手に元気になります。
まだまだコロナ禍は収束せず、外出や外食も制限され、家族や友人との会合もままならない状態です。今、気を付けたいのが「うつ」です。それが原因で元気が出ない。気分が塞いでしまうという方が多いと伺います。これを放置すると、悪化してしまう事もあるので気を付けてください。
「うつ」を予防するために
① なるべくコミュニケーションを絶やさない様にする;電話/スマホビデオ通信等の会話でもOK。
② 運動習慣;特に朝日を浴びて身体を動かすこと。
③ 笑うこと;脳内「幸せ・癒しホルモン=セロトニン」と言われるホルモンの分泌が促進されます。
セロトニンは、心の安心をもたらしてくれるホルモンで、笑うことで増え、心も元気になると言われています。
又、笑いはうつだけではなく、様々な病気の予防にもつながるとされるエビデンス(科学的根拠)があるとされます。
・免疫力アップ;「NK細胞」をはじめとした免疫細胞の働きによる感染予防効果~疲労や不規則な生活、ストレス等で低下した免疫力のアップも笑いの活性効果が期待されています。
・血圧を下げる;自律神経には交感神経と副交感神経の2種類があり、それぞれが正反対の働きをしながら身体を調整しています。ストレスがかかると、交感神経が働いて血圧が上がってしまいます。笑えば身体がリラックスして副交感神経が優位な状態になり血圧が下がります。
加齢とともにいろいろな事が当たり前になって、笑う回数が減ってくる中、なかなか笑えない情勢下ですが、記憶に新しい東京パラリンピック 最年長メダリストとなった自転車の 杉浦佳子さん(50歳)が口にした「最年少記録は2度と作れないけど、最年長記録はまた作れますね」とサラリと言ってのけた一言に添えられた彼女のビックスマイルは、メディアを通して世界中のシニア世代に金メダル級の勇気と希望を与えたであろうと感じました。
笑いは自身だけでなく、周囲をも幸せにする「秘薬」として心に残る感動の名シーンでした。
居宅支援事業所右京医師会 上山 玲子
11月号 「鍼灸はプラシーボ効果か?」
鍼灸の未経験者は鍼灸ってプラシーボ効果じゃないのって疑いを持つ人が多数おられます。
このテーマは大変興味深いというか昔から取りざたされ議論されて来たものですが、鍼灸経験者からはその効果については絶大なる信用を得ています。
でなければ日本に鍼灸が伝えられたのは平安時代で、今から1200年も前の昔になります。
それからこの令和の時代まで脈々と受け継いで来られたのも確かな効果があったからと言えるのではないでしょうか?
もちろんプラシーボ効果なのか、そうでないのかという実験も近年になってされていて、針を刺すグループとそうでないグループに分けて肩こりで試すと、
針を刺さないグループでも凝りの緩和が見られたという報告があります。
しかし圧倒的には針を刺したグループの方が優位にあったと報告されています。
今の医療においては多くの投薬がなくては始まりません。
ではその薬は100%効果があるかといえば必ずしもそうとは言えないらしい。
お医者さんからこの薬は効きますよと言われ、信じて飲むから効果が表れるということも分かってきています。
鍼灸治療も然り、先生への信頼、治療への期待を患者さんが持つから効果がより現れるんだと思います。
このテーマは深いので次回に続くワンポイントアドバイスの課題とさせて頂きます。
一般社団法人 右京医師会 佐々木 純一
10月号 「がんと言われたら ―緩和ケアって?-」
がんは、現在、日本人の死因の中で、1位の病気です。毎年、3人に1人ががんで亡くなられています。また、日本人の2人に1人が一生に一度は、がんになるというデータもあります。身近な病気です。そのような状況で、自分自身が「がん」と診断されたら、大きな衝撃を受けるかもしれません。「他の人たちは、あんなに元気なのに、自分だけこんな大きな病気になってしまった」と、突然、世界が変わってしまいこれまで描いていた将来の生活や希望などが、まったく別の方向に転換させられる気持ちになることもあります。自分だけが別の世界にいるような孤独感を感じることもあります。そして、がんと診断された後は、治療中に病気による症状や、治療に対する体の反応、副作用などが出現することがあります。それらに対するつらさ、不安、苦痛などを、一人で抱え込まず、治療者と一緒に対処していく必要があります。
緩和ケアは、がんと診断された早期から病気そのものに対する治療と併行して受けていくケアです。患者さんのつらさに対処していきます。また、体の症状としての苦痛、つらさだけでなく、休む仕事上の問題や、経済上の問題、家庭内での役割、親、配偶者としての役割ができなくなることへの苦痛、そのような社会的問題のつらさが感じられることも多いです。
さらに、今後に対する不安や心配事、憂うつな気分になることもあります。怒りやイライラした気分になることや孤独感が強くなることもあります。また、「自分はもう誰の役にもたたない」という自分の存在の意味の喪失感など、「生きる意味」に関連するつらい気持ちが出てくることがあります。ご家族さんにも同様に心理的苦痛、気持ちのつらさなどが生じることも多いです。このような、つらい症状に対して、緩和ケアは特殊な治療ではなく、がんと診断された時から始まる治療・ケアです。診断を受けたときに、痛みや苦痛、息苦しさ、だるさなど身体的症状や、不安、心配事などや気持ちのつらさなどがあれば、主治医や看護スタッフに相談することから始まります。「いつでもどこでも受けられる“緩和ケア”」が推奨されています。がんの治療を受けている外来や治療病棟、緩和ケア病棟、さらには自分の家で緩和ケアを受けることが、必要なこともあります。
多様な状況で緩和ケアは提供されます。
一般社団法人 右京医師会 國澤 正寛
9月号 「ノルディックウォーキングのすヽめ」
あなたも腰痛にお悩みではないでしょうか?
背骨は、横から見ると、ゆるやかなS字カーブを描いています。このカーブがあることで、上半身の重さが分散され、腰にかかる負担が軽くなっています。このS字カーブは腹筋と背筋が背骨を支えることで維持されています。しかし、腹筋と背筋は、30歳代から老化がはじまり、運動不足などが加わると、筋肉はさらに衰えていき、やがて背骨を支えられなくなります。また、姿勢が悪いと姿勢を保つために筋肉が緊張し、コリや痛みがでます。痛みがあると運動しなくなり、筋肉がさらに衰えるという悪循環に陥りやすくなるのです。運動不足が続くと筋肉が硬くなり、腰回りの柔軟性が失われます。可動域が狭くなり、腰を少し動かしただけでも、限界に達して痛みが生じます。
こう説明すると腰痛の改善には運動が不可欠だと理解できますね。誰でもできる運動はウォーキングです。ウォーキングにより、腹筋や背筋が鍛えられ、背骨を支える力が高まり、硬くなった筋肉がやわらかくなっていきます。
せっかく同じ距離を歩くなら、運動効果が高いほうがいいですよね。そこで、2本のポールを持って歩く「ノルディックウォーキング」を紹介します。 ノルディックウォーキングは、スキーのストックに似た専用ポールを使って歩くだけで、身体全体の90%の筋肉を動かし、歩幅大きくとれば1時間あたり約400kcal(通常のウォーキング/280kcal)を燃焼する全身運動です。しかも、ポールを使用することで、肩や膝や股関節など関節の可動域を改善させる効果もあります。海外では世代を超えた人気スポーツとして定着していますが、日本に上陸したのはつい最近で、北欧ブームや健康ブームと共に紹介されることが多くなっています。
今回は腰痛を例にしましたが、全身の痛みは運動することと密接に関係しています。あなたの身体の痛み、ノルディックウォーキングで改善するかもしれません。
一般社団法人 右京医師会 樋口 直彦
8月号 「前立腺って?」
前立腺っていう言葉、最近ではよく耳にするようになりましたが、そのきっかけは昭和天皇の前立腺がん報道からだと思います。
前立腺は男性のみにあり、膀胱の下に位置し尿道のまわりを取り囲むクルミ大の臓器で、精液の一部に含まれる前立腺液を作っています。
病気には前立腺炎(痛み 熱あり)、前立腺肥大症(尿が出にくい 近いなど 症状があれば治療)、前立腺がんがあります。
前立腺がんは早期では症状はなく、以前は見逃されることが多かったのですが、現在は簡単な血液検査でチェックできます。人間ドック(オプションの場合あり)・京都市前立腺がん検診・一般診療所どこでも受けることが可能です。
前立腺がんは早期で見つかれば、ほぼ100%治りますし死亡に到ることもないと最近では言われるようになりました。
治療法は、手術(ロボット)・放射線・薬物などですが、体への負担もそれほどきつくありません。
早期発見がすべて!50歳以上の男性は、一度は前立腺がん検診を受けてください。
一般社団法人 右京医師会 井上 亘
7月号 「汗をかきましょう」
暑くなり、汗ばむ季節となってきました。多くの家庭や職場ではエアコンがフル稼働していることと思います。エアコンは我々の生活には欠かせない家電となっており、エアコン普及率は2020年では91%、エアコン保有一世帯あたり3.18台だそうです。ですので、多数の人々は、汗をかかずに快適な生活を過ごせる環境となったといえますが、同時に汗をかく能力は失われつつあるのです。夏場熱中症で倒れる人が増えてきています。人は汗をかくことで、体温調節を行いますが、この機能が衰えてきているのです。
皮膚科の外来には、手の平に痒い小さな水ぶくれができ、やがて皮がボロボロめくれゴワゴワになる異汗性湿疹の患者さんが急増しています。またはアトピー性皮膚炎の方は、冬場は肌が乾燥しカサカサになりますが、汗ばむ季節になると関節の内側を中心に汗疹様の小さなぶつぶつとした湿疹ができます。実は、異汗性湿疹やアトピー性皮膚炎の方は発汗能力が低下しているのです。冬場、汗をかかないことで肌は乾燥し、夏場、汗をかき始めると痒くなります。しっかり汗をかき続け発汗能力を高めれば、これらの方々の症状は改善するのですが、何故、汗をかこうとすればさらに痒くなるのでしょうか。汗腺は皮膚の深いところにあり、生成した汗は長い汗管を通って皮膚表面に出ます。発汗能力が低下した皮膚では急に汗をかきだすと、汗管で汗が詰まり、さらに漏出することで痒くなるのです。
毎日、たっぷりと汗をかいている方の肌は、潤いがありすべすべしています。汗は肌の強力な保湿成分なのです。また、人の汗には、皮膚表面の病原菌に有効な抗菌タンパクやIgA抗体が含まれるため、肌を感染から守る機能もあるのです。ですので、毎日汗をかくことで代謝を高め健康的な皮膚となれるのです。毎日、少しずつでも汗をかき続けて発汗能力を高めていかれることをお勧めします。エアコンの効いた部屋を飛び出し、爽やかな汗をかきましょう。
一般社団法人 右京医師会 河合 敬一
6月号 「夜泣き~赤ちゃんはなぜ泣くの?~」
「赤ちゃんは泣くのが仕事だから」と言われても、夜中に泣き続けられるとそれはつらいものです。哺乳させてもあやしてみても何しても泣き止みません。旦那は「うるさいなぁ。俺は仕事で疲れているんだから寝かせてくれ、早く泣き止ませろ。母親だろう!」って言ってくる。泣き止ませられるんだったらとっくにそうするわよ!と言おうものなら、わが子はさらに輪をかけて泣き続ける。
赤ちゃんの夜泣きは永遠のテーマのようで、医学が進歩しても未然に防ぐことはできなさそうです。だからこそ、夜泣きを知っておくことはとても大切です。1つ目は生後2か月をピークに4か月頃に夜泣きは終わりを告げるということ。その理由はわかっていませんが、個人差はあるものの成長の一過程かもと言われています。2つ目は理由のない「泣き」があるということです。ですから、お母さんがいろいろと手を尽くしても「泣き」が治まらないことがあるということで、お母さんが悩み続けることはありません。「泣き」への対応方法はいくつかあります。赤ちゃんが最も過ごしやすかった環境はどこだと思いますか?実は、お母さんのおなかの中(正確には子宮の中)なのです。ちょっと狭くて、へその緒を通してお母さんの拍動(血液が流れる音)が聞こえる環境なのです。具体的な方法は、厚生労働省が作成した『赤ちゃんが泣きやまない~泣きへの対処と理解のために~』を参照してみてください。(下記のURLからDVD視聴をクリックすると11分ほどの動画のなかで詳しい説明がありますよ)
(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/dv/nakiyamanai.html)
それでも夜泣きが治まらない場合は、「こんなこと訊いてもいいのかなぁ」などと思わず、かかりつけの小児科医に相談してみましょう。
一般社団法人 右京医師会 大前 禎毅
5月号 「新型コロナワクチン接種について」
新型コロナワクチン接種が始まりました。区民の皆様におきましては、不安なことも多いかと思いますが、厚労省のホームページ、京都市からのアナウンス等から抜粋して皆様にお伝えします。
① 接種回数
現時点で,国から示されている接種回数は2回です。2回とも無料で受けられます。また、接種は強制ではありません。ワクチン接種の受け方ですが、まずは「ワクチン接種券」が届きます。後日、京都市から「予約開始のお知らせ」が届きます。その後、予約をする形になります。
今回接種していただくファイザー社のワクチンは、原則2回接種が必要です。通常,1回目の接種から3週間後に2回目の接種を受ける必要があります。1回目から3週間を超えた場合には,できるだけ早く2回目の接種を受けてください。
接種後は,アナフィラキシー等の副反応に対応するため,少なくとも15分間(体質等によっては30分間)は状態を観察する必要がありますので、接種施設で待機していただきます。あらかじめ御了承ください。
② 接種場所
地域の病院・診療所等(かかりつけ医等)での個別接種、あるいは、集団接種会場での接種となります。かかりつけ医で接種可能かどうかは、かかりつけ医にお尋ねください。かかりつけ医の無い方は、集団接種会場での接種となります。
③ ワクチンの有効性
ファイザー製のワクチンはイギリス型変異を含む新型コロナウイルス感染に対して高い効果があることを示す報告が複数なされています。同ワクチンは2回接種が基本ですが、1回接種のみでも、発症だけでなく、感染そのものを70~80%程度以上予防するという結果がイスラエル、イギリス、アメリカから相次いで報告されています。
新型コロナウイルスから、自分・家族・愛する人々を守り経済活動が早く正常に戻るためにも、感染予防ならびにワクチン接種をお願いいたします。
一般社団法人 右京医師会 寺村 和久
4月号 「がん検診、受けていますか?」
がんは治せる時代になりましたが、そのためには早期発見、早期治療が重要であり、定期的にがん検診や人間ドッグを受ける必要があります。しかし日本の検診受診率は低く、たとえば乳がんや子宮頸がん検診においては、欧米の受診率が70~80%であるのに対し、日本は未だ40%台と低い値です。
「日本対がん協会」が2018年から2020年7月までの、各月におけるがん検診受診者の月別推移を追跡調査した結果、2019年までは上昇傾向にありました。しかし、2020年は新型コロナの影響で大幅に減少、特に1回目の緊急事態宣言が発表された4月からの検診者は著しく減少しました。会場となる医療機関や検診車などでの「3密」が懸念されるため、厚生労働省が4月14日に自治体などが行う健康診断や各種検診の中止・延期を要請したためです。その後各地で健康診断が再開され、7月頃から受診者数は戻ってきましたが、この受診控えの影響でこれから発見されるがん数が減ることが心配されています。
がんは進行する毎に5年生存率が低下します。診断数の減少は、がんを患っているにも関わらず治療されない人が増え、より悪化した状態で見つかることになります。その時には治療法も生存できる期間も限られ、将来的にがんによる死亡の増加が懸念されます。
今まで毎年検診を受けてきたのに、新型コロナのために検診が後回しになったり、あるいは何らかの症状があるのに受診を控えたりすることにより、来年あるいは再来年に進行したがんが姿を現す、というようなことは避けなければなりません。新型コロナウイルスは今年もなくなることはないでしょう。しかしそのために他の防げる病気を見逃すことがないように、必要な安全策をとりながら検診を受けましょう。
一般社団法人 右京医師会 井本 雅美
3月号 「補 聴 器」
3月3日は耳の日ですので、それにちなんで補聴器の話をしましょう
補聴器に対するイメージはどのようなものでしょう。「まだ早い」「カッコ悪い」「雑音ばかり」「面倒」「高価」そのようなものでしょうか。
目が見えにくいと日常生活に不便もあり眼鏡をかけるのは当たり前になっているのに、難聴に対する補聴器はまだまだ受け入れられていません。文字と違って音はテレビや音楽にしても簡単に自分で大きくできるので、軽度の難聴の場合は気づきにくいのです。中等度や高度の難聴ではテレビの音が大きすぎて家族から迷惑がられたり、会話でも何度も聞き返し、話しかけられても気付かなかったりで、皆の会話に入り込めなくなり、社会とのつながりも途絶えていくことになるのです。その結果、難聴は認知症の大きな一因ともなっているのです。
また、難聴が進んでから補聴器を使いだしても、それまで脳は言葉を聞くことをさぼってきたので、話を補聴器で大きくしても音は大きく聞こえるけれど、言葉として理解はできなくて、雑音ばかり聞こえるということになるのです。
最近の補聴器は各個人に合わせて雑音も減らせますし、オシャレな物もでてきています。
補聴器専門店も補聴器をご自宅に貸し出して、ご自身の日常生活の中で試していただき、納得できるまで調節してくれます。
耳鼻咽喉科や補聴器専門店とよく相談されて、ぜひ早めに使い始められることをお勧めいたします。
一般社団法人 右京医師会 森戸 佳代子
2月号 「コロナ禍での「オンライン・・・」で目はお疲れ」
新型コロナ感染流行下で、以前にも増してスマートフォンやパソコンを使用する頻度が増えています。単に家籠りで動画の閲覧やゲームの時間が増えただけではなく、リモートワーク、オンライン会議、オンライン授業、講演会や習い事、飲み会まで、様々なことがモニターを通して行われるようになってきました。目にとっては過酷な状況です。若年者においては近視の進行が憂慮(ゆうりょ)されますし、大人では目の疲れやピントが合わないということで悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
近くを見るときはピントを合わせる調節筋が緊張し、遠くを見るときは緩みます。モニターを長時間見続けているという事は調節筋が緊張し続けており、疲労してきてだんだんピントが合わなくなってきます(調節衰弱)。或いは調節筋が頑張り過ぎて、今度は他の所を見ようとしたときに緩んでくれず、なかなか見たいところにピントが合いません(調節緊張、調節けいれん)。またこうして目を使っている時はまばたきが減り、ドライアイ傾向になって見にくくなり疲れを感じることもあります。
これらの症状を少しでも軽減させるために、以下の事に気をつけてください。
・部屋は適度に明るく、モニターは明る過ぎず。
・少し目線は下げた位置で、30~40㎝以上は離して見る。
・できれば20~30分に1回小休止、長くても1時間は続けないよう。
1時間に1回は10~15分ほど目を休めて体もストレッチを。
・大人でも1日4時間以下に。
*スマートフォンでは画面が小さいのでさらにこまめに休息をはさみ、短時間にしておく方が良いでしょう。
でも、症状が強い方はやはり眼科に受診されることをお勧めします。原因が遠視や乱視、老眼にあったり、使用しているメガネが合っていない事もあります。また治療が必要な場合や、なかには単なる疲れ目ではなく目の病気が隠れていることもあります。
一般社団法人 右京医師会 西田 惠理
1月号 「コロナ禍でも必要な受診を欠かさないでください―心配なら相談を―」
新型コロナ感染の流行が続いています。マスクや手洗い、三密回避など感染リスクを減らすことは引き続き重要です。この冬を乗り切ってコロナの収束が見える日がくることを願っています。
今、医師として心配していることは受診控えです。持病の悪化や手遅れになって命を落とす人が全国で少なくないのです。
次のような例があります。今年3月に検診で異常がみつかったのですが、コロナで受診を控えていました。症状が悪化して10月に受診して転移のある進行した胃癌が見つかり手術できませんでした。70代半ばの女性で、学校がコロナで一斉休校になったため家で面倒をみる人がいないからと、小学生の孫の面倒を見ていたこともあって、忙しくて受診できなかったというのが理由です。ご本人の後悔、御家族の辛さが身に沁みます。
経済的事由、御家族の事情、孤独・孤立など理由は多岐にわたります。自分だけで、あるいは身内だけで悩まずに、ぜひ身近な医療機関に声をかけていただきたいと思います。
癌だけでなく受診控えは医療のあらゆる面で起きています。高血圧、糖尿病、心不全などの慢性の病気、認知症などの高齢者の病気、救急や小児の病気、メンタル不全、歯科、健康診断などです。
厚生労働省は次のように呼びかけています。
1 過度な受診控えは健康上のリスクを高めてしまう可能性があります。
2 コロナ禍でも健診や持病の治療、お子さまの予防接種などの健康管理は重要です。
3 医療機関や健診会場では、換気や消毒でしっかりと感染予防対策をしています。
4 健康に不安がある時は、まずはかかりつけ医・かかりつけ歯科医に相談しましょう。
もうすぐ節分・追儀式です。みんなでコロナ禍の鬼(疫鬼や疫神)を払いましょう。
一般社団法人 右京医師会 吉中 丈志