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4月号 「最近の食物アレルギーの治療について」
卵・小麦・乳製品など食物アレルギーと診断されているお子さんが周りにいらっしゃると思います。
その治療方針は10数年前くらいまでは、病院でアレルギー採血を何度となく行い、アレルゲンの数値が改善するまで制限をかけ続ける治療が長く続いていました。
アレルギー症状出現を予防するという意味では安全ですが、その弊害として、本当は少しなら摂取できるのに、過度な制限をかけているお子さんがいること。アレルゲンの数値が改善した頃には年齢が高くなっており、保護者が食べさせようとしても、本人が怖くて食べないといった事例が多く見受けられました。
そのため最近では重度の食物アレルギーでなければ、完全制限ではなく、少しずつ経口摂取していこうという流れに変わってきました。
当然、摂取する際にアナフィラキシー出現リスクがあります。その予防としてアレルギーを診察できる病院が、外来や入院で経口負荷試験を行い、摂取できる量を判断していくなど、お子さんがアレルギー改善のためのサポート体制が整備されてきております。
実際、筋トレを毎日しているとだんだん動けるようになるのと同じで、少量ずつ経口摂取を継続することで、アレルギーのあった食物をだんだん食べられるようになるお子さんも多くおられます。
アレルギーがあるからとその食物を完全に諦めるのではなく、少しずつでも克服していく方法もあること知っていただき、是非、専門医療機関にご相談をお勧め下さい。
一般社団法人右京医師会 中原 宏
3月号 「花粉症から目を守るために ― アレルギー性結膜炎の対策」
3月に入り、暖かくなるとともに花粉の飛散が本格化します。この時期、目のかゆみや充血、涙目、ゴロゴロとした異物感に悩まされる「アレルギー性結膜炎」の患者さんが急増します。
アレルギー性結膜炎は、本来体から異物を追い出すための免疫反応が、花粉などの原因物質に対して過剰に働いてしまう状態です。治療の基本は、原因となる花粉を「寄せ付けない」「取り除く」こと、そして「適切なお薬の使用」の3点です。
・寄せ付けない:外出時は眼鏡やマスクを着用し、帰宅時は玄関前で衣服を払いましょう。
・取り除く:帰宅後の洗顔や、防腐剤を含まない人工涙液での点眼(洗眼)が有効です。
・お薬の使用: 症状が強くなる前に点眼薬を開始する「初期療法」が効果的です。花粉飛散開始の2週間ほど前から抗アレルギー点眼薬(ヒスタミン抑制剤など)を使うと、症状の出現を遅らせ、シーズン中の症状を軽くし、使う薬の量も減らせます。
注意点として、目を強くこすると結膜や角膜を傷つけ、かえって炎症を悪化させてしまいます。また、市販の点眼薬を漫然と使い続けると、副作用や他の病気を見逃すリスクもあります。
「単なる花粉症」と我慢せず、早めに眼科専門医を受診し、ご自身の症状に合った点眼薬の処方を受けることが、快適な春を過ごす近道です。
一般社団法人右京医師会 山田 英明
2月号 「たかが耳あか、されど耳あか」
いよいよ花粉シーズンが始まり、毎年ながら煩わしい時期となってきました。ただ、コロナ禍以降はマスクの着用が定着したこともあり、症状が以前より落ち着いている方も多いように感じます。とはいえ、まだまだ油断は禁物です。引き続き適切な対策をお願いいたします。
さて、今年度より学校健診における耳鼻科の判定項目が一部変更されました。
これまで「1 耳あか(耳垢栓塞)」としていた項目は、今年度から「1耳垢栓塞」と表記が統一されます。また、新たに14「その他」の中に『耳垢のため鼓膜所見がとれない』という文言が追加されます。従来は鼓膜が見えなければ1耳垢の病名がつきましたが、今年度からは“耳垢が完全に詰まっている場合”と“耳垢で観察ができない場合”が区別されることになります。
「たかが耳あかなので、受診まではしなくても…」と思われる保護者の方もおられるかもしれません。しかし、鼓膜の奥に病気が隠れていることもあります。指摘があった場合は、できるだけ医療機関での受診をお願いいたします。
さらに、「7 アレルギー鼻炎」も診断基準がより厳格になり、重症度が高い場合にのみ判定されるようになりました。これまで、花粉症や鼻炎症状がなくても「健診で指摘されたので…」と受診されるケースがありましたが、今後はより適切なスクリーニングが行われることになります。
耳鼻科健診はあくまで早期発見のためのスクリーニングです。自己判断に頼らず、「少しでもおかしいな」と感じたら専門医への受診をお勧めします。
一般社団法人右京医師会 平杉 嘉平太
1月号 「病は気から?!」
心を病むと身体も病む。心が先か身体が先か悩ましいこともまた多々。現代人は多くの悩みを抱えていると思います。少なくとも自分自身も日々のちょっとしたことで思い悩み、そしてちょっとしたことで喜んだり。でもまあそれが人間と言えば人間でしょうか。
みなさまも誰かに言ったことや誰かに言われたことがあるであろう「病は気から」という慣用句。古くは紀元前の中国の古典医学書にも同義の内容が記されていたみたいです。その考え、知見は日本にも渡りかなり時は経ちますが江戸時代の人形浄瑠璃や歌舞伎にも「病は気から」という趣旨のセリフがあります。
病院で処方される内服薬や点滴薬は治験という段階を経て、承認されますが動物実験の次に実際の人間に使用して問題がないかどうかみていきます。この段階で開発中の新薬を投与するグループとなんの有効成分も含まれていない物を投与される「プラセボ」グループに分けて実際どれくらい効果に差があるかを調べられます。そこで有意な差があれば有効性が認められ開発が継続されます。
ここで不思議なことになんの有効成分も含まれていないグループでも一定数の効果を認める事が多々あります。いわゆる気持ち的な問題。薬を投与されていないのに投与されていると思い検査値や症状が改善しちゃうのですから気の持ちようは大事です。
症状のすべてを気のせいと決めつけてはいけませんがあまり気にしすぎるのは心身にとってよくありません。しかるべき検査や診察を受けて明らかな器質的疾患(画像や検査所見に異常がある病気)でなければ機能的疾患(画像や検査所見で異常がわからない病気)という流れになりますが身体、心身の不調があればまずかかりつけ医に何でも相談して悩みを一緒に解決していきましょう。
一回ぽっきりの人生、好きなことをして楽しく過ごしたいものです。
一般社団法人右京医師会 林 孝德